5thアルバム『ANTENNA』より2023年6月13日に先行配信された『Magic』。
コカ・コーラ社のCMソングとして書き下ろされた楽曲である。
『Magic』も私の中で激アツなのよ。
「激アツ」とか「大好き」とか「お気に入り」とか、やっぱり結局どの楽曲も愛してるんだけど、『Magic』は『Magic』で本当に激アツ。
『Magic』はMVも公開されているけれど、一足早く音源だけ公開してくれたんだよね。
これがさ、メロディは明るくてポップで、「ライブで盛り上がる楽曲として作りました!」って意図はすぐに分かったけれども、どうしようもなく涙が溢れちゃって。
0時に公開されてからMV公開までほぼずっと聴きながら泣いてたんだよね。
SNSで素直なJAM’Sちゃんたちのキャーキャー楽しそうな感想とは裏腹に、全くキャーキャー言えなくて、なんだかすごく申し訳なかった。
曲の展開もテンポもすごく好き。
もっくんの声もすごく好き。
でも歌詞が刺さって刺さって物凄く痛くて、その後控えていたNOAHでちゃんとミセスの望む「Hey!」をしてあげられるかなって本気で不安になってた。
みんなで「Hey!」したいし、作家大森元貴の期待する「Hey!」に応えたいから、何度も何度も聴いて慣れようとすればするほど、何度も何度も刺されて流血・・・。
MVが公開されて、とても壮大で、とっても素晴らしくって、そこからようやく涙が止まるようになって、NOAHにはしっかり「Hey!」できるまでに克服しました!
それでもやっぱり拭えないこの痛みはあって。
でもそれはそれでとても大事な痛みなので、今回しっかり言語化しておこうって思った。
2024年秋の定期公演”Harmony”の一曲目も『Magic』だったし、ミセス結成10周年を”MAGICAL 10 YEARS”と名付けているのも『Magic』から来ているのでしょう。
ミセスの存在そのものがMagicだし、ミセスもJAM’Sと起こすMagicを楽しみにしてくれているんじゃないかなと思っている。
インタビューから知る『Magic』
ものすごく外に向かうエネルギーがある曲。
「Rockin’on JAPAN 」2023年8月号 大森元貴
色んな疎ましさやモヤモヤがある中で、もっと自由にいたいという欲とか、もっと自由でいいのにとか、トゥギャザーする感覚ですね。
言い方が正しいかわかんないけど、このアルバムのアンセムだなあって思うし。
ノリも良くて、楽しい曲だと思う
そう。もっくん自身は「ノリが良くて、楽しい曲」だと言っている。
そうだろうね。もっくんらしいよね。
コカ・コーラのタイアップのお話をいただいて、資料もいただいたんですけど、『いやいや、僕のコカ・コーラ愛をまず綴らせてくれ!』ということで資料にも目を通さずに曲を書いて”Magic”というタイトルをつけて一旦提出してみたんですよ。
「MUSICA」2023年8月号 大森元貴
そしたら、コカ・コーラさんが掲げているスローガンみたいなものが『Real Magic』で
それで、そのまま直しナシで『Magic』が通ったのは、本当にMagicだよね。
いろいろあったけど、それでも大森元貴のコーラ愛は消えないんだと思う。
大好きだもんね。
もう小学生の時からずーっと飲んでるんですよ。それくらい大好きだから、どういう雰囲気がコカ・コーラっぽいっていうのは、理論とか音楽的な話ではなく、もう遺伝子レベルで刷り込まれているわけですよ
「MUSICA」2023年8月号
いろいろある前だからこそ、インタビューで心から語れたコーラ愛のお話。
とても貴重だと思う。
思っていても世間的に難しい言えないことって、人気になればなるほど増えていくんだろうな。
それを不自由と感じるかは彼の場合わからないけど。
『いいよ』とか『大丈夫だよ』みたいなひと言で自分の鎖が外れる瞬間ってあると思うんです。
「Rockin’on JAPAN 」2023年9月号
些細な言葉なんだけど、すごく重要なもの。
その大切さとか、難しさとか、そういうのを歌っている楽曲だと思う。
凄く肯定的で開けたサウンドだし、MVもあんなに広大なところで撮影するぐらいものすごく自由度が高い。
だけどそこには、閉塞感みたいな裏腹なものも孕んでいて。
だからこそ人は羽ばたくことに憧れるし、そうでありたいと願うし。
そういう楽曲かなと思います。
誰かに『いいよ』って言ってもらわないとダメな環境や状況、心境が実在しているってことを自分の肌で感じないと『いいよ』の細分化って絶対にできないんですよ。
「Rockin’on JAPAN 」2023年9月号
それが過去とは違うなって思います。
昔は漠然と言っていたけど、今は明確に、『自分もそうだから伝えよう』っていうギアが強い気がする
『Magic』楽曲解釈・歌詞考察
ここからは、私しっぽの勝手な『Magic』解釈。
ミセスの楽曲はメロディと歌詞のギャップがとにかくすごいから、そこが魅力でもあって、惹きつけられてしまう。
『Magic』は特にそう。
AH,苦い苦いの 私由来の無駄なダメージ
『Magic』Mrs.GREEN APPLE
AH,「マインド1つです」幸福呪文の史実
AH,苦い以外の刺激のきいたフックで
世界をどうか 私をどうか
一人で考えすぎてしまっては、勝手に一人で傷を負っている。
「どんなことも考え方、捉え方次第」で幸福を感じられるのに。
自分の中にはない、未だ見た事のないハッとするような気付きを与えてほしい。
そして、この世界をこの自分をどうか救ってほしい。
「私由来の無駄なダメージ」=「生まれ持った呪い」「私である為の呪い」
傷は癒え 明日に期待をしてみても
『WaLL FloWeR』Mrs.GREEN APPLE
生まれ持った 呪いがさ
解けてしまったら 私じゃないから
あなたとの相違は
『コロンブス』Mrs.GREENAPPLE
私である為の呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を
本当は嫌えない
特に『コロンブス』は、この『Magic』同様コカ・コーラ社のCMソングとして書き下ろされた楽曲なので、敢えてリンクさせているのかと私は思うんだ。
『Magic』では、下の方の歌詞にもあるように「凝り固まった甲羅を引き剥がして欲しいの」と歌っていたのだけれど、1年後にリリースされた『コロンブス』では、「そんな自分を本当は嫌えない」と歌っていて、激アツポイントなのである。
Hey! 白昼夢スターライト
『Magic』Mrs.GREEN APPLE
眩しいけど見る まだ終われない
平気なフリをしてない?
寂しい夜 隠れるシャイな君だけど
白昼夢とは、目が覚めているときに空想や想像が視覚化して現れ、それにふけること。
また、その非現実的な映像や体験を指す言葉。
大森元貴の白昼夢。
更なる高みを目指したい。
スターライト。
夜空に光る星明かりのような夢。
眩しいあの場所へたどり着くまでは、まだ終われないんだ。
平気なフリをしてない?
聴き手に問うているけれど、きっと彼は自分に問うてもいるのだろう。
昼間は平気なフリをしてわちゃわちゃしつつも、Mrs.GREEN APPLEとしての看板を背負っている。
夜になると素の大森元貴に戻って、内省と反芻を繰り返し、時に寂しさも感じるのだろう。
苦い苦い私由来のダメージで、今夜もまた自分勝手な思考で寂しくなってしまう。
その日中と夜のギャップは彼の他の楽曲にもよく反映される。
蹴り込む苦痛に踏みにじる
『FACTORY』Mrs.GREEN APPLE
メロディと僕は違うからさ
楽曲を生み出す大森工場のことを唄った『FACTORY』で「メロディと僕は違うから」と綴られている。
本当にそう。
この『Magic』はそれが如実に表れている。
いいよ もっともっと良いように
『Magic』Mrs.GREEN APPLE
いいよ もっと自由で良いよ
いいよ もっともっと良いように
いっそ楽しもう Magicで日々を
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