Mrs.GREEN APPLE『愛情と矛先』楽曲解釈~その君の矛先を愛と呼ぼう~

楽曲解釈
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2016年1月13日にリリースされた1stフルアルバム『TWELVE』。
その一曲目に収録されている『愛情と矛先』は、アルバムを制作した当時のミセスの集大成となる楽曲だ。

今回は、この『愛情と矛先』について深堀りしていこうと思う。

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ミセス『愛情と矛先』制作秘話

やっとメンバーに任せられるようになった

『愛情と矛先』は、大雪の日に作ったという。

もっくん(大森元貴)は自宅の部屋でデモを作っていて、そこにひろぱ(若井滉斗)と涼ちゃん(藤澤涼架)を呼び出した。
自分の部屋に招き入れ早々、
「俺下行ってくるからちょっと作っといてー。30分か1時間くらいに戻ってくるから。」
そんな感じで言い残してその場を去ったようだ。
ひろぱ&涼ちゃんの2人で、ギターとキーボードの掛け合いの部分を作った。
これは当時、初めての試みだった。
この曲がきっかけで、もっくんはやっと他のメンバーに委ねることを覚えたようだ。

今まで作曲に関してはずっともっくん一人で抱え込んできたから、
メンバーと一緒に作れたことが嬉しかったんだろうな。

『愛情と矛先』は、リハーサルでもメンバー5人ですり合わせて今の最終形態になった。
だから、「”5人のもの” という意識が『TWELVE』の中でもすごく強い曲で、それをアルバムの1曲目に持ってくることには意味があると思った」と語っている。

最初は振り付けとかなかったけれど、演奏回数を重ねるごとにキメの振り付けが増えていったそう。

あなたのことはあなた自身がよくわかっている

今まで歌ってきたことの集大成みたいなものから始まる。
”あなたのことはあなた自身が良くわかっているよ”というところから広げて制作した楽曲。
「誰が味方で誰が敵かわからない。さて、何を信じましょう」ってなった時に、やっぱり自分しかいないし、全てのものに気づけるのは自分なのだ、と。

ミセス『愛情と矛先』楽曲解釈

ここからは、しっぽ視点の『愛情と矛先』への想いと歌詞解釈をしていく。
楽曲の解釈は、千差万別。
正解不正解は存在しない。
これはあくまで、しっぽの解釈。
あなたはあなたの解釈を大事にしてほしい。


当時17-18歳でこの曲を作れるの…本当に感服。
『矛先』というワード。
大森元貴、素晴らしすぎる。
もっくん愛が爆発している。
今でこそ、そう思う。
ミセスを知れば知るほど、もっくんらしい言葉選びだなぁと思うけれど、初めて聴いたときは本当に衝撃が走った。

”「愛情と矛先」を武器に、さぁ立ち向かえ!”と歌っているのに、
実際にこの楽曲で「愛」を抱いたミセスの「矛先」を、私の鼻先に突き付けられている感覚…

なんなんだこれは。。。

「君はどうなんだ?
ちゃんと自分なりの考えで生きているのか?
上面だけで、実際の本心は一体何を考えているんだ?」
厳しく問い詰められている気がした。

それと同時に
「そんな頑張って、傷ついてボロボロになってる貴方を癒してあげよう」
表裏一体の優しさに抱きしめられてる。

クラクラした。

こんなにも鋭く私の心に刺さってくる言葉たち。
それでいて、メロディラインはポップで耳心地が良くて。

なんという楽曲に出逢ってしまったのだろう、と。

私が常々世の中に対して思ってきたことをここまで言語化してくれている時点で感動が溢れ、
私がこれまで負ってきた傷を愛を持って癒そうと…

なんて人たちだ!一体君たちは何者なんだ。
どうしてこんなにも私の心が読めて私の欲しい言葉を並べるんだ・・・???

それまでいくつかミセスの楽曲を聴いて、それぞれに衝撃を受け、感動をしてきたけれど、
『愛情と矛先』という楽曲のインパクトも本当に大きかったんだ。
ミセスグリーンアップル、只者ではない。

私の中でさらに一気にミセスが好きになった楽曲でもある。


夢を語ったって 今じゃ笑われる世の中さ
愛を伝えたって まともに聞いてくれやしないさ

「愛情と矛先」Mrs.GREEN APPLE

真面目に夢を話しても鼻で笑われたり、「そんなこと叶うわけない」って言われてしまう世の中。
ここで言う「愛」はミセスの楽曲のことも言っていると思っていて、気づいて欲しいこととか、もっとこうしたらこれからの人生楽しくなるよってことも、結局聞き流されておしまい。
『Speaking』にも通じるのかなって思ってる。
本当は話したいんだ。だけどちゃんと同じ視点で同じ深さで聞いてくれる人がいないから。

そうだよね。
私もこれまで嫌というほど、感じてきた。
みんな、目の前の情報処理で忙しくて、自分の話を聞いてくれないし、上辺だけの楽しさを見ながらごまかしながら生きている。
本質から目を背けることに慣れて、愚痴をこぼしながら、頭を使わずにのらりくらりとやり過ごしてる。
その危機感に気づける人と気づけない人。
本当はもっと大事なことを真剣にじっくり時間を掛けて向き合った方が、無駄に振り回されてるこの世の風潮から一歩引いて全体を見ることができるし、それによって心の忙しさからも解放されるのに。

大丈夫だよ 貴方のその声は
少なくとも貴方が気づけているから

「愛情と矛先」Mrs.GREEN APPLE

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