Mrs.GREENAPPLEのイメージってどんな感じですか？
「ケセラセラ」「青と夏」「僕のこと」など、優しく肯定してくれて励ましてくれる楽曲を歌っているので、ポップで華やかなイメージを持たれている方も多くいらっしゃるかと思います。
でも、ミセスが国民的アーティストとして持ち上げられれば持ち上げられるほど、天邪鬼な私は、別の面のミセスが愛おしくてたまらなくなるのです。
今回は、Mrs.GREENAPPLEのイメージをぶち壊して、新たな魅力をたっぷりお伝えすべく、「ミセス皮肉ソング特集」を書こうと思います。
最近はあまり生み出されなくなってしまったけれど、作詞作曲担当している大森元貴が10代だった頃は尖った楽曲もたくさん生み出されていたのです。
今となっては超貴重！
皮肉ソング大ファンの私にとっては、残してくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。
ただ、聴いた私たちは皮肉たっぷりだなぁと思うけど、当の本人にとっては「ラブソング」と思って制作されているので、それはもう正真正銘の皮肉ラブソングです。
ミセスの楽曲は、【愛】から生まれた楽曲も、【哀】から生まれた楽曲も、本質は同じ。
表現の違いでしかないと感じています。
目を背けたくなるようなことも、大森元貴（もっくん）が真正面から向き合ってくれてるからこそ書ける歌詞。
私しっぽなりの愛情表現で精一杯ご紹介します。
あ、だいぶ口調崩れます。ご覚悟を!!!
ミセス皮肉ラブソング①VIP
ちょっと、今一度「VIP」の歌詞をよく読んでみてほしい。
すごいよ、ほんと。
全編通して、痛烈な皮肉で出来上がってるんです！！！！
買い被りってなんだっけ
「VIP」Mrs.GREENAPPLE
君を高く評価しすぎたようだ
内容が薄すぎて反吐が出ちゃう
踊れ 踊れ 醜く笑え
痛烈！痛快！
たまらないでしょ、この歌詞たち。
無神経に育ったお前らのせいで周りが苦労を背負ってるんだ。
たまに殺意まで芽生えてしまうし、生命の濃度が憎い。とな。
ひぃやっ!!!ｿﾞｸｿﾞｸしますね!!!
とてもケセラセラとか歌ってるアーティストと同一とは思えないwww
しかもこれが未だにライブで大盛り上がりっていう。
コーレスまでしちゃう楽曲なんですよね。
本当に面白いよね。
自分たちに向けて言ってるかもしれない言葉なのに、ノリノリで楽しみながらレスポンスしちゃうんだから。
それ自体が、盛大の皮肉!!!!
さすが大森元貴大先生w
「VIP」は3rd ミニアルバム『Variety』4曲目に収録されています。
ミセス皮肉ラブソング②アウフヘーベン
涼ちゃんピアノが印象的でサウンド的にもめちゃくちゃかっこいい「アウフヘーベン」。
特にここの歌詞。
なんだっていいんだって。時期に嵐は過ぎる
「アウフヘーベン」Mrs.GREENAPPLE
安牌な回答で直に虹が架かる
大丈夫 心配ないよ。大勢が傷つくだけ
なんてことはないよ
直に朝日が差す、人を朝日が刺す
大勢が傷つく”だけ”。
その安牌な、可もなく不可もない選択と決断でなんとなく表面上は解決したかに思える（虹が架かる）。
でも、結局大勢の人を傷つけるんだ、と。
しかも、なんてことないって言葉にしちゃうのが皮肉以外の何物でもない。
直に朝日が差す＝そのうち、その安牌な回答の因果が明るみに出る。
人を朝日が刺す＝明らかになれば、当人は制裁される。
君との未来があるけれど
「アウフヘーベン」Mrs.GREENAPPLE
僕たちの住む世界は
「歪んでいて綺麗なもの」でした
歪んでいて綺麗なもの。
ｸｩｩｩｩｩ～～～～～～!!!!!!
これ、大森元貴が高2の時に作ってるんすよ。
えぐぅぅぅぅぅ。
ほんと、えぐいのよ。
だから好き。
この辺りの楽曲は、今にはない味が染み込んでいて本当に好き。
ｸﾞﾊｧｯ!ﾀﾞﾊｧｯ!ってさせてくれるから離れられないよ。
ちなみに「アウフヘーベン」は、「パブリック」のアンサーソングです。
パブリックもめちゃくちゃ好き。
パブリックも皮肉を孕んでいるけど、まだ希望があるんだよね。
「アウフヘーベン」は3rdアルバム 『ENSEMBLE』4曲目及び1stベストアルバム 『5』12曲目に収録されています。
ミセス皮肉ラブソング③ア・プリオリ
皮肉ソング代表「ア・プリオリ」！！！
ねぇ
「ア・プリオリ」Mrs.GREENAPPLE
君はなんでそんな
楽しそうに生きられるの？
人気者なのね
広く浅いの代名詞ね
ぎゃーーーーーー
”広く浅いの代名詞”。
こわいこわいこわい。
うっかり今や人気者のミセス。
こわいねこわいね。
アプリオリ（a priori）とは、ラテン語で「より先なるものから」という意味で、経験に先立って存在する、または経験から独立して認識されることを意味します。
googleより
回りまわってうっすら我が身も皮肉りそうになるあたりも計算済みだったりするかもしれないししないかもしれないし。
彼のことだからなくもない。
君が言うその考えは
「ア・プリオリ」Mrs.GREENAPPLE
誰かのものね
恥さらし者ね
「ホントの自分で居ると腐っちゃうそうです」
って、もう臭うんだよね。
ひぃぃぃぃぃぃ
グッサグサ…ﾊﾟﾀﾘ･･･
でも、こういう皮肉系の曲って刺さらない人にこそ向けてるんだけどね。
本当の意味が理解できない人にこそ届かせたいけど届かないんだよね。
だからこそ、わかる人の楽しみというか。
またそれが皮肉だったりする。
是非2024年秋に開催されたMrs.GREENAPPLE定期公演「Harmony」の「ア・プリオリ」も聞いてみてほしい。
スマホ撮影自由だったので、XやYoutube等で検索すればすぐ観られるよ。
こわいから。ほんと。
でもそれが、めちゃくちゃかっこいいっていうね。
パブリックイメージではない方のミセスの魅力のひとつがギュッと詰まってる。
それに、何が一番怖いかって、これがあの爽やかで多くの国民から愛される「青と夏」の3曲目に収録されてるところ。
サブスクで聞いてると気付かないけど、ミセスの楽曲ってシングルも、すごい絶妙なバランスの選曲で構成されてるんです。
「え？このシングルがこの楽曲の組み合わせ！？」って「うわぁぁぁぁぁさすがミセスだーーーー！」ってなるから。
そのあたりも、注目してほしいポイントだったりする。
リリース一覧は、是非こちらの記事で確認してみてね↓
【ミセス】初回限定盤も丸わかり！アルバム・シングルリリース順一覧
ミセス皮肉ラブソング④おもちゃの兵隊
大大大好き「おもちゃの兵隊」！！！
馬鹿にはさ 判らないでしょ
「おもちゃの兵隊」Mrs.GREENAPPLE
この世の腐った処なんてさ
おもちゃの兵隊が銃を持つ
戦争ごっこでは無いんだと
「おもちゃの兵隊」すんごい好きなのよ。
冒頭から”馬鹿”って言われちゃうんだよ。
へ？ってなるよね。
でも言ってることが至極真っ当で、それがまた「よく言った！」とスタンディングオベーションしたくなる。
”おもちゃの兵隊が銃を持つ”。
改めてすごい表現だよね。
戦争。
人の死。
そういうことをわかってない兵隊。
空っぽの兵隊が本物の銃を持つということ。
その恐ろしさたるや。
ぬくぬく生きてる我々日本人。
良くも悪くも見て見ぬふりが出来ちゃう環境。
そんな中でハッとさせられる歌詞たち。
それに、世の戦争に限らず、普段の生活をしていてもおもちゃの兵隊は紛れてる。
匿名性の言葉の銃弾があちこちで飛び交っている。
自分が向けているのが銃であることさえも気づけない浅はかなおもちゃの兵隊たち。
さぁ、この世で、この社会で、君はどう生きる？と問われてる。
そう問題提起してくれる存在がいることが、この世の救いなのだよって私は強く思う。
大森元貴のその強さを私はこれからも支持していきたいんだ。
「おもちゃの兵隊」は2ndアルバム 『Mrs. GREEN APPLE』3曲目に収録されています。
ミセス皮肉ラブソング⑤No.7
「No.7」は、初っ端から皮肉を吐かれるw
正常な脳ではないって言われた上に、逆にオモシロイねとまで言われてしまうw
でも、皮肉言うだけじゃなくて、ちゃんと正してくれるんだよね。
「大切」はなんだろうって考えさせてくれるし、どう生きるべきか道標を表現してくれてる。
そこがいいんだよね。
そこがさ、やっぱりラブソングだよね。
私等は端から日本脳
「No.7」Mrs.GREENAPPLE
任せ合い 自信がない 興味もない
早く無知に気付け 敵の居ない
世界がほら出来上がる
ぐうの音も出ない。
本当にぶっ刺してくるよね。
皮肉の天才なのよ、大森元貴って。
否、失礼。
ラブソングの天才なのよ、大森元貴って。
「No.7」は1stアルバム『TWELVE』7曲目に収録されています。
ミセス皮肉ラブソング⑥アボイドノート
アボイド＝望ましくないものを避ける、遠ざける、控えるという意味。
アボイドノート＝音楽理論において、あるコードに対して不協和な響きをする音、またはその音を使うこと。
直訳すると「避けるべき音」。
一般論として避けるべき問題に対して、ぶっこんでるってことでしょうね。
すごいよね。楽曲にしちゃうの。
「リラックスして温かいものでも飲みながら、あなたのご意見を聞かせてください」という態なのにも関わらず、じわじわとなじってくる感じw
もういいや お帰りになって
呆れてものが言えないだけです
「もう一度チャンスをください」って
どうしても言えないものですか？何かを失くしたって
「アボイドノート」Mrs.GREENAPPLE
気付かぬ程ですか？
どうでもいいんですか
あぁ、気にしない側ですね
ふふふふふ。ほんと面白いよね。
怖いを通り越して笑えちゃう。
いいね、いい性格してるよね大森元貴。
愛すべき大森元貴だわ。
大好きなんだわ。こういうとこ。
「アボイドノート」は1stベストアルバム 『5』17曲目に収録されています。
ミセス皮肉ラブソング⑦アンラブレス
フェーズ2で盛大に皮肉ってくれているのは今のところこの「アンラブレス」。
ラブレス＝「愛のない」「愛されない」「つれない」「かわいげのない」
それに否定の”un”が付いてるから、
アンラブレスは、結局「愛そうよ」ってこと。
愛されたいんだと嘆く暇があるのって
「アンラブレス」Mrs.GREENAPPLE
偉そう。青そう。
ツライですか？ヘツライですか？
ああだこうだと叫ぶ暇があるなら
学ぼう。出直そう。
出来るなら日を空けてきな
皮肉は皮肉なんだけどさ、フェーズ1の楽曲に比べたら、かわいい～優しい～あったかい～～～～～
突き放すわけじゃなくて、結局すごく愛してくれているんだよね。
フェ１の皮肉ソングは、どちらかというと世間とか偉い人とかに物申す！！感があるんだけど、
フェ２のアンラブレスとかは、「おバカね～。そんなとこでつまずいてんの～？」みたいな先輩目線なんだよね。
可愛らしいもんよ。
それに、ライブではこんなに皮肉言われてるJAM’Sたちがノッリノリで拳突きあげてるっていうw
この光景がいつ観ても笑えちゃって。
私も当時、皮肉られてる…と思いながらももちろん全力で拳突きあげてたけどもw
そんなカオスな「アンラブレス」が観られるのは、Atlantisの円盤で。
「アンラブレス」は5thアルバム 『ANTENNA』7曲目に収録されています。
愛も哀もよく愛そう
ざっくり簡単にですが、ここまでお読みいただきありがとうございます。
ミセスのイメージ、変わりましたか？
Mrs.GREENAPPLEの新たな魅力が伝わっていたら嬉しいです！
最近は皮肉ソング控えめなので、そろそろぶちかましてほしいな～と勝手に勝手に勝っっっっ手に期待しています。
もっくん、待ってるよ～!!!!
こういうの待ってるJAM’Sは多いよ～～～～～～!!!!（圧）
もちろん今回紹介した楽曲が全てではありません。
是非他にもｿﾞﾜｿﾞﾜｿﾞｸｿﾞｸする楽曲を見つけてみてくださいね。
こんな感じで当ブログの楽曲解釈記事では、浅く浅くたまに深く歌詞をさらにじっくり読み解いています。
もし興味があれば読んでみてください。
⇒ミセスグリーンアップル楽曲解釈・歌詞考察記事一覧
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