どうしようもなく惹かれるミセスの楽曲。器用で不器用な大森元貴だから愛される。

ミセスを知る
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1stシングル『Speaking』をリリースしたばかりの『音楽と人』(2016年1月号)のインタビューでこんな質問があった。

ミセスのメンバーが思う「いいバンド」とは?

「いいバンド」とは?

それぞれが自分の役割とかやるべきことをわかってて、それに没頭してるバンドがすごくいいバンドかなって思います

若井滉斗『音楽と人』2016年1月号音楽と人

ライブを重ねるごとに、ミセスでの自分の立ち位置とか役割とかひとりひとり考えて実践していったんだもんね。
すごく意識してきたんだと思う。
今はもう無意識にミセス全体としてバランスとってる感じがする。
「元貴がこうしたから僕はこう」「涼ちゃんがこうしてるから僕はこう」
とてもいいバンドになってますよ、ひろぱ。

音源を聴いたときに、演奏者だったりヴォーカルの人たちの顔がしっかり見えるようなバンドが理想かなって思います

髙野清宗『音楽と人』2016年1月号音楽と人

しっかり見えてます。
街中で音楽流れたらすぐに「ミセスだ!」って、パッと顔が浮かぶ。
JAM’Sだけじゃなくて、きっともっと幅広い人たちに。
かなり広く知れ渡っていますよ、髙氏さん。

バンド全体で目標を共有できてて、それを発信できてる人たち……かな。ちゃんと見てる人たちにもそれが伝わるような

藤澤涼架『音楽と人』2016年1月号

ちゃんと言葉にして伝えてくれてます。
どんなふうに活動していきたいのかしっかり伝わってます。
いつもわかりやすく言葉にしてくれてありがとう、涼ちゃん。

1人も〈こういう人いたっけ?〉っていう人がメンバーにいなくて、音源も何気なく聴き流そうとしても聴き流せない、聴く人を惹きつけるものを持ってるバンドがいいバンドだなって思います

山中綾華『音楽と人』2016年1月号

元メンバーのお顔もしっかり覚えられてます。きっと街中で会ったら気づいて興奮しちゃうくらいには知ってます!
何気なく聴き流そうとできなくて、毎回ギュッと胸締め付けられてるバンドになってますよ、綾ちゃん。

みんなで信念持って、やりたいことを共有できてるバンドがいいバンドなんじゃないですかね?

大森元貴『音楽と人』2016年1月号

10年以上ずっと信念一貫していて、メンバーとも軸足ブレず、しっかり地に足付けてるバンドです。
めちゃくちゃいいバンドですよ、もっくん。

メンバーから見た大森元貴ってどんな人?


元貴の歌詞に<この歌詞は俺のことを言ってるんじゃないか?>って思わされることがよくあるんです。自分のダメな部分とか触れられたくない部分を見抜かれたような気持になってハッとするんです。で、そういう歌詞が書けるってことは、それだけ元貴が人の気持ちを知ろうとしたり、自分のことを真剣に伝えようとしてるからだと思う

髙野清宗『音楽と人』2016年1月号音楽と人

本当にそう思う。
深く深く考えていないとあんな歌詞は書けない。
人の内側の弱くて脆くて、できれば見て見ぬふりしておきたいような部分を敢えて、突き刺すような歌詞を書けるのは、まずもっくん自身が自分自身の内面としっかり向き合って、逃げずに見つめているからに他ならない。
そこで削り出したもっくんの答えをもってして、音楽を通して伝えてくれている。

たぶん元貴って、人よりも大きいアンテナを持ってて、それでいいものも悪いものも人一倍多くキャッチしてしまうんだと思う。それで精神的にヤラれたりすることもあるんじゃないかなって。そのぶんキャッチしたものを僕らに説明しようとしたり、曲にしてみたり。でもその反動で急におちゃらけて見せたり妙なテンションになったりすることもあるんだなって

藤澤涼架『音楽と人』2016年1月号

よくわかってもらってるね。
結成3年弱。涼ちゃん、もっくんのことよく見てきてくれたんだなぁ。
もっくんのアンテナは人よりも敏感なんだよね。
そう、その分の反動がね。
今もそうですよ。
人一倍食らうのに、そういう自分の特性を知ってるから、一瞬でギアを切り替える。
無理矢理。
隙を見せないように、今持ってる気持ちばっさり切り捨てて。
もっくん自身も客観的に観たら「こわっ・・・なにこの人。」って言うくらい。
そこが器用であり、不器用である大森元貴の愛すべき魅力でもあるんだよね。

そんなところも含めてもっくんのこと愛してる涼ちゃん。
それも存じ上げてます。
だから、愛のある鞭でも突然の強制膝枕も全部丸ごと受け入れてるもんね。
愛だよね。尊…♡

人間が好きなんだなって、すごい思います。話し合いの時、わざと強く説教みたいに相手に問いただしたりすることがあるんですけど、それって人に対する愛が強いからなんだなって

山中綾華『音楽と人』2016年1月号

なんか泣けてきちゃう。
綾ちゃんの理解力もとても愛だよね。
いいメンバー集めたよね。もう本当に。
もっくん見る目ありすぎ問題もそうだけど。

ただの友達じゃここまでわかってくれないよ。
問いただされたら反射的に反発する人だっているよ。
なのに、ちゃんともっくんのこと受け入れて理解してくれる人、こんなによく見つけたよね。

人を理解するって気持ち的にもとても疲れること。
もっくんの熱量がしっかり伝わって、それに同じだけしっかり応えようって向き合ってくれるメンバー。

オンとオフの激しさも、何故?って本人に聞ける隙は持ってないしw
聞けたところで本当のことなんて言わないだろうし、無意識な部分もあるだろうし。
でも、それをちゃんとメンバーそれぞれが言わずもがな理解してくれてるの本当にジーンと来ちゃう。
優しさ。愛でいっぱいの人たち。

人に伝えることを諦めない大森元貴

『Speaking』を書くちょっと前から、外に出ていろんなものを見るようになったもっくん。
自分たちの世界じゃないところに出向いて人の話を聞くことが面白くなったそう。
そこから得たものが『Speaking』に繋がっているのかな。

人に委ねることをようやく覚えたんだと思う。前はどうしてもそれが出来なかったんですよ。自分の話が通じないというか、伝わらなかった。だから、いっぱい話せば話すほど、自分が虚しくなる時期というのがあって

大森元貴『音楽と人』2016年1月号

ほんとそうなんだよね。
どんなに言葉を尽くしても、わかりやすく伝えようとしても、相手が同じくらいの視点、深さまでついてきてくれないと、話せば話すほど虚しくなる。
つらい。。
これって経験した人にしかわからない辛さだと思う。

音楽なかったら死んでるか殺されてるかどっちかだって

大森元貴『音楽と人』2016年1月号

もっくんは、私なんかよりもっともっと伝えたい欲が強かったんだろうな。

言葉難しいけど、会話の層っていうのが見えないけどあるんだよね。
その層の上辺だけ掻い摘んで話すのは簡単だよ。
でもさ、本当にわかってほしいときって、もっともっと深く掘らないと伝わらないんだよね。
伝えたいから掘って伝えるけど、相手は掘ったところまでついてきてくれていなくて、はじめの表層から動いてないの。
だから言葉を重ねて一緒に掘れるように誘導して、どうにかこうにか連れて行こうとする。
とても大変な作業で、頭も使うし精神も削れるし。
でもさ、そうまでしてでもわかってほしいんだよ。

伝わらなかったときの虚しさは、伝えないことよりもはるかに痛い。

今まで生きてきて、私の周りは、理解してくれる人が居なかったけれど、
ミセスを知って、もっくんの言葉にめちゃくちゃ共感して沼入りして、
そしたらJAM’Sにも同じような考えの方が結構居てくれて。
その存在の心強いこと!!
生きてていいんだって思えた。
私はこんな思いをずっと抱えてて、このまま一生誰にも分かられずに終わるのかなって思ってたから。

ちょっと難しい話だけど、この話理解してくれた方、もし居たらあなたの存在に心から感謝します。
やっとミセスに出会えてよかったね。幸せだね。って心でハグします。ね。そうだよね。

ハグされた方は「ハグされた」って報告してくださいね。……え?

大森元貴の不器用さこそ、ミセスの音楽の魅力

自分をコーティングするのが上手いんです、元貴は。でもそれって自分の不器用さを知ってるからだと僕は思ってて。自分がすごく不器用だから、そこを見せない技術を身につけたというか。でも音楽には不器用な自分がそのまま出てる。

若井滉斗『音楽と人』2016年1月号音楽と人

そう。ひろぱ、そうだよね!
その不器用な部分を出してくれているから、心に響くんだよね。
音楽でも器用に繕っちゃったら、こんなに多くの人の心に届かない。
ありのままをさらけ出してくれるから、聴いた人の柔らかい心に寄り添ってくれる。
それがミセスの音楽の魅力。

前回の『音楽と人』インタビューから数カ月の間で、もっくんのことをこんなに理解できるようになったメンバーたち。
この頃から、すべてを言わなくても、暗黙の了解っていうのがメンバー間で出来てきたんだって。
表面の進化だけじゃなくて、もっと内側もしっかり進化していったんだろうな。

もっといろんなことを人に委ねることができれば、心の陰もなくなってくるのかな

大森元貴『音楽と人』2016年1月号

最後の言葉。
もうこれだけで一曲出来そう。。

この頃はまだもっくん一人で背負ってて、もちろん今も一人で背負ってる部分ももちろん大きいけど、
でも、【NOA no HAKOBUNE】【Atlantis】を経て、少しは降ろせたって言っていたよね。

一人で抱えてた期間はとてもつらかったと思うけど、他のメンバー4人共ちゃんと知ろう向き合おうとしてくれたことはとても心強かっただろうし、希望でもあったんだろうなと思う。

だから大森元貴の、ミセスの音楽に強く惹かれてしまう

常に「どうありたいか」の軸がブレない。
もっくんのアンテナがとても敏感で繊細だからこそ、聴く人の心の脆い部分に直接響く。
本当は不器用なのに、それを自分で分かっているから人前ではそう見せないように、そつなくこなして。
ドキュメンタリーや夜中のつぶやきなんかでオフ貴が出ると、「ぬわぁぁぁぁ」ってJAM’Sたちが溶けてジャム化してしまうほど、ギャップがえぐい。

そんな彼が創り出す音楽。
そんな彼が綴る詞。
寄り添って慰められ、一緒に泣いて一緒に前を向かせてくれる。
どうしたって惹かれてしまうよなぁ。
Mrs.GREEN APPLEの音楽が聴ける今の時代を共に生きることができて、心から幸せだなぁ。

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