楽曲解釈

Mrs.GREEN APPLE『WaLL FloWeR』楽曲解釈~どうか温かいモノを忘れないように生きて~

楽曲解釈
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2015年2月18日にリリースされた2ndミニアルバム 『Progressive』のラストを飾る『WaLL FloWeR』。
このアルバムのために書き下ろされた楽曲である。
一番の『我逢人』ともよく繋がっているので『Progressive』はエンドレスで聴きたくなるアルバムの一つだ。

大森元貴はしばしば自身のことを「陽のふりをした陰だ」と言うことがあるが、その彼の陰によってこちら側の人間は物凄く救われるのである。
『WaLL FloWeR』を聴く度にその彼の陰に感謝する。
存在してくれてありがとう。
この楽曲を書いてくれてありがとう。

『WaLL FloWeR』も私にとって特別な楽曲だ。

近頃は、今までよりずっと『WaLL FloWeR』を心の中で反芻することが多い。
軽んじられ、疎まれ、切り捨てられる度に「どうか温かいモノを忘れないように生きて」と願わずにはいられない。
どうか…どうか…。

この想いと『WaLL FloWeR』への想いを言語化するのはとても難しいけど、それでもやっぱり少しずつ綴っていこうと思う。

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『WaLL FloWeR』との出逢い

『WaLL FloWeR』を初めて聴いたときはピンっと来なかった。
他のわかりやすいミセスの楽曲に耳を奪われていたから。

でも、8thシングル『僕のこと』初回限定盤の特典にある「ゼンジン未到とプロテスト 〜回帰編〜」の『WaLL FloWeR』を聴いて、雷に打たれたような衝撃を受けた。
スッと歌詞が入ってきて、”なんて切なくて美しい楽曲なのだろう”と、涙が次から次へと流れだした。

同時にAtlantisのMCを思い出す。

「弱い人の味方でありたい」

ずっとずっと変わらずにそう思ってくれてる。
そのことが救いで、とても有難くて、希望になる。

プロテストの『WaLL FloWeR』は、アレンジも歌い方も、すべてが私の中で本当に特別だ。
悲しことや虚しいことがあって、沈んでる時には必ずこの『WaLL FloWeR』を観て、心を静める。
本当に大大大好きな楽曲。

他にも『WaLL FloWeR』がセトリに入ったライブが円盤化されている。
”EDEN no SONO Live at YOKOHAMA ARENA 2019.12.08”だ。
こちらは現在も市場に流通していて手に入りやすいので、是非手元に置いておいて欲しい。

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『WaLL FloWeR』楽曲解釈・歌詞考察

そんな大切な楽曲『WaLL FloWeR』。
この楽曲の解釈や想いを言語化するハードルも、『PARTY』同様本当に難しい。
正直『PARTY』より難しい。

でも今綴れることだけでも、言葉にしたい。
ひどく疲れ、虚しさを抱えている今だから書けることを綴る。
また書ける言葉が増えたら随時追記していきたいと思う。

これはあくまで私しっぽの個人的な楽曲解釈である。


「壁の花(Wallflower)」とは、
パーティーや舞踏会などの会場で、会話の輪から外れて壁際に立っている人。
仲間外れ。目立たない人。などの意味。

傷は癒え 明日に期待をしてみても
生まれ持った 呪いがさ
解けてしまったら 私じゃないから

『WaLL FloWeR』Mrs.GREEN APPLE

人は誰しも大なり小なり心に傷を負いながら生きている。
やっと傷が癒えたと思い、前を向くことができたとしても、その傷は完全に癒えているわけではなく、それを抱えて生きて行くのだ。

「生まれ持った呪い」
大森元貴は自分の性質のことを「呪い」と表現する。
繊細で多感で脆くも強い「呪い」。

明日こそ変われる。
そんなことはなく、結局自分は自分のまま。
疎ましい部分も自分を構成するひとつなのだ。
上手く付き合って生きて行くしかない。

ちなみに『コロンブス』でも「私である為の呪い」という歌詞がある。

あなたとの相違は
私である為の呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を
本当は嫌えない

『コロンブス』Mrs.GREENAPPLE

皮肉にも彼の「呪い」が彼の楽曲を生み出し、同時に私たちの心を救う。
「彼の呪いそのもの」もまた、光と影の意味を持つものなのだろう。

傷は癒えきらない。
なんとかやり過ごしながら痛みを抑えながら生きて行くのが人間だ。
今まで経験してきた傷も含めて私なのである。

大森元貴の楽曲はこういう表現が多い。
最近の楽曲では、その傷を誇れるように、認めてあげられるようにというメッセージ性が強い気がする。

綺麗な花もいいけど
傷をも誇れる花になろう

『アポロドロス』Mrs.GREEN APPLE

割に合わない疵も
認めてあげようぜ
僕は僕自身を
愛してる

『ライラック』Mrs.GREEN APPLE

傷をも誇ること。
疵も認めてあげること。
それはなかなかに難しい。
私のように自分に対して責め癖のある人は特に。

人は皆 個々に運命に寄り添って
生きて行かなきゃいけないと
悟るは哀し あの子は壁の花

『WaLL FloWeR』Mrs.GREEN APPLE

人は皆、自分にしかない生まれ持ったもの(呪いもそう)を抱え、生まれた環境に左右されながらも生きて行かなくてはならない。
人は決して最初から平等なんかじゃない。
国や家柄、時代背景などにも大きく影響される。
だけどそれを受け入れて、考え悩み模索しながら生きて行かなきゃならないんだ。
目立たず、気づかれず、仲間外れにされているあの子もそうやってもがきながら生きている。
私もそう。
決してメインテーブルに飾られない、居なくなっても気づかれないひっそりと咲く壁の花だと悟る。

壁の花。って表現。
先述した意味ももちろんあるが、私はこうも解釈する。
壁に縛り付けられて身動きが取れずとも、ささやかに美しく花を咲かせている人。
控えめながらも自分軸を持っていて、不自由でも今ある環境を最大限に活かしで誰かの支えになっている。
社交性はないけれど、内面はとても豊かで、隅に居るからこそ、俯瞰して世を見られる。

混沌とした世の中で生きて行くんだ
汚れた人間さ これ以上は御免だ

『WaLL FloWeR』Mrs.GREEN APPLE

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