2024年5月20日10th配信シングル『Dear』がリリースされた。
これは、6月公開の映画『ディア・ファミリー』の主題歌として書き下ろされた曲。
ミセスは先月4月に9th配信シングル『ライラック』を出したばかりだ。
こんな短いスパンでリリースするも、ミセスに関していえば、全くクオリティに影響しない。
だってMrs.GREEN APPLEだからだ。
絶対的に心がギュッとなる楽曲しか出さないミセスだからだ。
ありがたい。
ありがたい。と同時に難聴を抱えた彼がとても気がかりになる。
こんなにも強い想いを抱いてリリースしている彼らに言うのは失礼だけれど、
本当に無理しないでほしい。
今脂がのっている時期。
一気に間口を広げて奥行を付けたい。
とてもわかるが、人間の身体の限界を極めることだけは決してしないようにと願うばかりだ。
ここでは、『Dear』という楽曲についての、個人的な考察と感想を述べていきたいと思う。
目にした限りの考察を踏まえた上での私の感想であり、正解、不正解など存在しない。
捉え方は千差万別。
あなたはあなたが『Dear』から受け取った思いを大事にしてほしい。
その上で、私の解釈も知りたいと思ってくれたなら、是非読んでみてほしい。
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「人生で書ける曲の数は決まっている」
配信前、作詞作曲担当の大森元貴(以下、もっくん)からこんなポストが投下された。
これまで何度も言われてきた言葉。
「人生で書ける曲の数は決まっている」
わかってる。
新曲リリースのお知らせの度に得られる緊張感とドキドキ感と
新曲を初めて受け取った時の衝撃と感動と心と体の震え。
それを体験できるのも有限だってこと。
わかってる。
でも、切ない。
つらい。
わかってる。
覚悟していなくちゃいけないこと。
それを敢えて伝えてくれていることが彼の優しさだってこともわかってる。
でも、泣きたい。
「また来世で。」
そんな言葉を残して表舞台から消えてしまうんじゃないかって。
イメージとして頭にふっと浮かんでしまう。
でも、未来がどうであろうとも、今ここで今の彼らが生み出してくれる宝物を大事に受け取りたい。
今感じられるこの気持ちを今はしっかりと抱きしめよう。
気づかないうちに流されてしまわないように。
彼らの今と私の今が繋がっているこの時代。
大切にしよう。
さぁ、大切に新曲『Dear』を聴こう。
扉の先
冒頭から、FCツアー『The White Lounge』を彷彿とさせる。
あの白い空間。
非現実な。畏怖を抱くようなあの空間。
あの白い扉の前。
この扉の先に何があるのか。
期待と不安が渦巻く。
一旦止まって呼吸を整える。
大丈夫。
これまでの足跡。
自分が歩んできた歴史。
ここまで来れたんだから、きっと大丈夫。
そっと背中を押してくれる言葉。
そして扉を少しずつ開けて、その先へ踏み出す。
左胸の鼓動と右の脳で想う君の存在
左胸の鼓動。
生きているという実感。
右の脳。
イメージ力、記憶力、感情、感動を司る器官。
タイアップ映画の内容とMVから読み取って
心臓は別の誰かのものだと私は解釈した。
その心臓が自分の繋がる右脳を刺激して、記憶を思い起こさせる。
右の脳で君を愛してる
『Dear』大森元貴
強く思える相手がいたのだろう。
生きるということは、一人では叶わない。
時に誰かの手を借りて、時に誰かの手を取って生きていくものでしょう。
生かされているのでしょう。
Bye- 時の流れに任せて
『Dear』大森元貴
2番では「Hi-」なのに、1番では「Bye-」。
これだけでも過ぎ去っていくイメージが強く印象付けられている。
この『Dear』には動きや流れの描写が多い。
「時の流れ」「風」「気持ちは周る」「羽ばたく」「時代は変わっていく」「時の行方」。
時を経ても変わらない想い。
時代を経るからこそ、得られるもの。
左胸の鼓動で時を刻む実感。
今この瞬間瞬間が未来に繋がっていく。
いつも何気なく過ごしている時間が尊いものだと思い出させてくれる描写だ。
「9月の花」とは具体的にどの花なのだろうか。
9月の代表的な花を調べたら、
- コスモス
- アネモネ
- キキョウ
- リンドウ
- キク
などが出てきた。
まず思ったのが「アネモネ」。
ミセスは以前『月とアネモネ』という楽曲をリリースしている。
『月とアネモネ』は9thシングル『ロマンチシズム』にカップリング曲として収録されている。
ただ、『Dear』と『月とアネモネ』の繋がりは感じられなかった。
では、アネモネの花の色の意味は?
紫・赤…あなたを愛しています
青…固い誓い
強く誓う 愛したい
『Dear』大森元貴
『Dear』の歌詞ともリンクする。
アネモネなのだろうか。
ただ、キキョウの意味も、「永遠の愛」「変わらぬ愛」「誠実」。
そしてリンドウの意味は、「病に打ち勝つ」とある。
映画の内容に寄り添ってる。
敢えて具体的な花を提示することなく、あらゆる解釈を生ませるために
「9月の花の色」と歌っているのだろう。
大森元貴からしか生まれない表現
ここからは、生きていくことへの不安や葛藤、聳え立つ壁に対して
優しく強く寄り添って励ましてくれる歌詞が続く。
「生きていけない」
『Dear』大森元貴
無気力な私を「無価値」だと思っても
この部分の歌い方の繊細さが大森元貴だ。
8th配信シングル『ナハトムジーク』の
乱した呼吸を整えて ほら
『ナハトムジーク』大森元貴
の部分の歌い方に匹敵するほど、なんとも大森元貴だ。
フェーズ2を開幕してからというもの、彼の表現力は桁外れに進化し続けている。
声だけでこの繊細な表現を生み出せるのは、この世に彼しかないだろう。
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