Mrs.GREEN APPLE 1stフルアルバム『TWELVE』の11曲目『Hug』。
切なさと不穏さを兼ね備えた曲。
それでいて、不思議と寄り添ってくれる。
歌い方も独特でヴォーカル大森元貴(以下、もっくん)の声音が印象的だ。
10年近く前の楽曲ではあるが、現在もライブで丁寧に演奏され、JAM’Sからも非常に愛されている。
Hugの制作秘話
『Hug』のコンセプトは、布団の中の温かさと、一人の時の冷たさ。
独りとはどういうことなのかを歌っている。
「おはよう また今日が始まったね」って可愛い歌詞ではあるが、マイナー調でちょっと怖い感じを表現している。
女の人の声みたいなのは全てもっくんの声。
声音に関しても色々試したという。
「小さい子聞いたら泣くよね。」と本人も語っている。
レコーディングに関しては、その場で出た表現を大事にしたそう。
寂しくなっちゃったときにそっと寄り添ってくれる楽曲となっている。
グランドピアノを担当した藤澤涼架は『Hug』のレコーディングについてこう語っている。
レコーディング前に考えていたフレーズがあったけど、なんか違うかもしれないって思考錯誤して、この曲をもっと表現するには寄り添うにはって思って考えた。
レコーディングすごく緊張するんだけど、このHugに関しては、これに対して自分がどう弾くかっていう時間が作れた。
生ピアノは別ブース。
この日他の曲もグランドピアノしか弾かない日だったから一日中孤立したブースで弾いてた。
『Hug』の独特な雰囲気。
他のミセスの楽曲にはない『Hug』特有の混沌感。
メンバーも苦悩しながら表現しきったようだ。
ライブで披露された『Hug』が聴けるDVD
2024年現在、『Hug』が聴ける円盤は2つ。
どちらもそれぞれ感情が乗っていて、その時のミセスでしか表現しえない『Hug』となっている。
是非聴き比べてみて欲しい。
『Attitude』初回限定盤
4thアルバム『Attitude』初回限定盤特典のDVDに「The ROOM TOUR」で披露された『Hug』が収録されている。
ARENA TOUR 2023 “NOAH no HAKOBUNE”
DVD/Blu-ray化されている「ARENA TOUR 2023 “NOAH no HAKOBUNE”」にも7曲目に『Hug』が収録されている。
Hug楽曲解釈
楽曲の解釈は千差万別。
ここからは、あくまで私しっぽ個人の勝手な解釈である。
Hugを聴きたくなる夜がある。
「おはよう」と歌いながらも、この楽曲の主体は夜。
寂しくて悲しくて遣る瀬無い。
励ましてほしいわけじゃなくて、でも独りでは寂しすぎて誰かに傍に居て欲しい。
大森元貴が乗り越えてきた夜と、乗り越えられないような気がしてる私の夜がスッと重なる。
それだけでふっと気持ちが楽になって、もしこのまま眠れなくても大森元貴が耳元で『Hug』を歌ってくれているからそれだけでいいやと思える。
誰かの重荷にならず、負担にならず、独りだと感じる夜でも誰かを感じられる。
『Hug』の魅力はそういうところにあると思う。
寂しくなった。
「Hug」Mrs.GREEN APPLE
誰か ワタシを温めてと
朝になれば 星達が
塵になっていく
もっくんの寂しさ。
彼の夜は深くて、すぐそこに底知れない闇が待ち構えている。
「誰か」と言っていても本当に誰でもいいわけじゃないだろう。
本当はアナタでなければいけなくて、でもそう言葉にするとワタシのどこかがまた傷つくから、気づかないふりをして「誰か」と歌っている。
長い夜は星達が一緒に過ごしてくれた。
でも朝になると、散り散りに消えてしまう。
光を失った星達は、塵となる。
おはよう
「Hug」Mrs.GREEN APPLE
また今日が始まったね
おやすみを云うまでの辛抱だ
ひどく疲れてるんだ 潤してよ
アナタと私だけのハグをしよう
アナタと私だけのハグをしよう
コメント