Mrs.GREEN APPLEの核となるアルバム『Variety』

ミセスを知る
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Mrs.GREEN APPLEは、2015年7月8日、この『Variety』というアルバムでメジャーデビューを果たしています。
インディーズ含めて3作目のアルバム。
このアルバムを聴かずして、ミセスは語れない!
そんな名曲たちが入っているので、是非聞いてみてくださいね

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『Variety』

ミセスの中では、以前リリースしたアルバムとこの『Variety』を含めて3部作と位置付けています。
1枚目の『Introduction』では無常観。
2枚目の『Progressive』では人との出逢いや優しさ、温かさ。
今回の 『Variety』では喜怒哀楽を表現する中で、傷つくことで人の優しさに気付ける。
まずミセスが世の中に伝えたかったこと、ここに詰まっています。

今回の『Variety』というタイトルも先に決めていて、そのタイトルにふさわしい曲を選んだり、作ったりしたそうです。
まさに、この3つのアルバムがMrs. GREEN APPLEの取り扱い説明書みたいな感じだと当時表現していました。

『Variety』の収録曲

1. StaRt
2. リスキーゲーム
3. L.P
4. VIP
5. ゼンマイ
6. 道徳と皿
メジャーデビューアルバム

『Variety』のコンセプト

コンセプトの喜怒哀楽の「楽しい」って言葉をどこまで深く潜れるか?
それを追求して作詞作曲担当の大森元貴くん(以下、もっくん)は制作したそうです。

“楽しい”ってことは”楽しくない”って感情がないと生まれない感情。
憂いのある感情があるからこそ感じることはたくさんある。
きっとみんな何かから助けを求めている。

もっくんも助けて欲しい側の一員だから、もっくん自身が気持ちがラクになった言葉たちを根源に置いて、幸せの概念を歌ってくれているのですね。

「L.P」や「VIP」は憂いをまとった割と攻撃的な曲と思われがちですが、
もっくんはラブソングだと思って制作したそう。
そういうとこあるんですよね。もっくん。
そういうとこが好きだったりするんですよね、JAM’Sって。そう、ミセス沼。

『Variety』では、“ 愛 を歌った曲“ か ”楽しさを気付かせてくれるワードを持つ曲”しか入れていないんだそう。

『Variety』のこだわり

これまでの楽曲制作は、もっくんが作ってきたデモを元にメンバーで進めていく過程を経ていたのですが、
今回はデモの段階からもっくんがすごくこだわって時間をかけながら葛藤していたようです。

今までのような5人だけの音じゃなく、バンジョーやティンパニ、ヴァイオリン入れたりいろんな楽器を組み込んでいます。
ジャンルというものにとらわれないものにしようと意識して作ったみたいと言っています。

ジャケットのイメージはもっくんの中に既に明確にあったものを実際にノートに書いてデザイナーさんに作ってもらったそうです。
この頃からもっくんの脳内のイメージをラフに起こすっていうクリエイティブな手法が始まっていたんですね。

衣装についてもそれぞれ色を入れたため、この『Variety』からメンバーカラーが決まってきたみたい。

当時の『Variety』リリース動画はこちら↓

2回目の拍手に注目!

もっくんのパチパチの仕方、可愛すぎやしないか?

ちなみに、ここから10年経った今のもっくんも同じように可愛いパチパチをしてるんだよ。

ああ、尊い!

StaRt

もっくんが、2015年を迎えてお正月に最初に書いた曲。
その時の心境が詰まっているのが「StaRt」。

当時まだ高校生だったもっくん。
高校生活を送っているときに、周りでは”うざーい!”や”死にたい”って簡単に口にしちゃう人がいて、
「幸せになりたい」と言っている人たちがたくさんいることに気付いたそう。

でも幸せっていうのは、まず、そう感じる心を持たないと感じられない。
だから、もっくんは同世代に向かって、形として”幸せなんかねえよ!”っていうのをバーン!と撃ちたかったし、引っ張って行きたかったと語っています。

メロディーはすごくポップで聴きやすいですよね。
できるだけ多くの人に、この曲をかみ砕いて欲しいからまずは耳障り良くポップに作ったそうです。

さすがに、もっくん自身も当時はこんなにポップなところまで足を踏み入れたことがなかったと言っていました。
でも最終的に、作曲の可能性を広げることもできたし、バンドとしての可能性も広がるきっかけとなっていますね。

さて、この「StaRt」。
もうライブではド定番曲です。

「“初心忘るべからず”をメジャー1発目で歌わないといけないなと強く思ったので、そこはすごく意識しました」と当時のインタビューでも述べているもっくん。
「この曲を歌うと目の前の光景が新鮮であり続ける。絶対に初心を忘れることはない。」
26歳になったもっくん自身も「デビュー曲で初心を忘れずいこうと歌える18歳居ます?マジで褒めてほしい」って言っていました(笑)

デビュー当時からしっかり未来を見据えているあたりがもう本当に素晴らしいですよね。
18歳のもっくんと26歳のもっくん、会わせたら絶対にHugしてるだろうなー

高校生でここまでの曲を作れるなんて、信じがたき・・・本当にすごいー!!

この「StaRt」という楽曲はライブの後半で必ず手拍子する振りがありま。
この手拍子は頭の上高く上げないともっくんに怒られるので、ライブ参加する際はどうか気を付けてくださいね。

もっくんは手の高さに厳しいのです。笑。

リスキーゲーム

「リスキーゲーム」はミセス結成時に作っていてこのアルバムの中では一番古い曲です。
もっくん自身が20歳を過ぎちゃうと、意味合いが変わりそうだと思ったため、
今回の『Variety』にこの曲を入れることにしたそうです。

ミセスを好きになってもらうきっかけとして、それまでのライブではこの曲を意識的にたくさん演奏してきたと言っています。
だから、今回の収録にあたっては、そのライブで奏でた良いところを残しつつアレンジにこだわったって制作したそうです。

L.P

時が経っても違和感なく歌える曲を。と思って高校生の時に書いた「L.P」。
高校生で書くような歌詞ではなさそうですが、そこはさすがもっくん。
ミセスの曲の中では重めの曲ですよね。

ちょうどもっくんや若井滉斗(以下、ひろぱ)が高校卒業するの3月のタイミングでレコーディングしたそうです。

この曲、キックがAメロとかBメロとか「ドッドッドッド」って音が入っていて、それは心臓の鼓動の音を表しています。
かなり静と動が激しいサウンドで、もっくんもお気に入りの様子。
涼ちゃんも、今までのミセスにない雰囲気が出せた曲だって言っているよ。
私もミセスのこくいう痛い痛い苦し~い曲大好きなんです。

ちなみに、L.P=LOVE PERSONの略とのこと。

VIP

「VIP」の歌詞めっちゃ厳しくないですか?
初めて聴いたとき、もっくんにディスられてる気さえしてしまって。笑
でも、もっくん曰く「どの曲よりもラブソングになってると思ってる。」っと言っています。
(ひええ・・・ドS!!!・・・・・・・・でも好き!!!)

真意は、
”僕が憎まれ役になってもいいから、この歌が何かを考えるキッカケになってくれればいいと思ってます。自分の中の愛を書いたら、こうなりました。”
とのこと。

相当胸に抱えた澱みみたいなものが見えますよね。
なんてったって天才ですから、周りの同世代だけでなく、大人にもいろいろと思うことがあったことでしょう。
その気持ちをここまで音楽に出せるのってすごい才能ですよね。

ゼンマイ

「ゼンマイ」ももっくんが16歳くらいの時に作った曲です。
でも、この曲に触れていなかった期間も長かったそうです。
当時のミセスでは、この温かい雰囲気というのはまだ表現できないって判断していて長く温めておいたとのこと。

そしてやっとこのアルバムで日の目を見る時が来たということですね。

曲の持っているポテンシャルとちゃんと向き合えるようになったのかな。
当時はちょっと(曲に)飲まれちゃっていた部分があって。
今もそういうところはあるんですけど、曲に負けないように頑張る方法を覚えたので(笑)。
当時は良い曲ができたと思っても、実際にやってみたら良い曲にはならないということがあったんです。

JUNGLE LIFE インタビュー

もっくんの思い描くイメージと実際の演奏できる音。
その誤差にとても苦しんでいたんだろうな。

「ゼンマイ」レコーディングの日、ひろぱは38度の熱があったそう。
でもその分、普段は体験できない特別な感じでギターを弾けたってひろぱは語っていました。
まさか熱が活かされている楽曲だとは思わなかったですよね。笑
無事にレコーディングできてよかった。

コーラス部分は山中綾華ちゃんがツインヴォーカル。
もっくんに“その声はブサイクだからもっと可愛く!”って何度も言われながらも頑張ってた。
もっくん厳しい~!!!
綾ちゃんがんばったね。素晴らしいコーラスになってるよ!

道徳と皿

冒頭でお伝えしたように、『introduction』『progressive』『Variety』で三部完結の作品。

この各アルバムのコンセプト”無常観”、”対人関係”、”娯楽”を全部詰め込んだ曲にしようと思って、「道徳と皿」はすごい苦労した曲だそうです。

レコーディング中、1週間前にギリギリできた曲。
もっくんはこう語っています。

「道徳と皿」ってタイトルをつけたいのは決まってたけれど、コンセプトとしては喜怒哀楽が終わったあとの、それを超えたもの、どれが大事で何を見て何を感じてっていうものを表現したかった。

ロック・サウンドなんだけど、やっぱりポップでありたかったし。
なんか難しいメロディなんだよね?たぶんこの6曲の中では難しいメロディで複雑な構成なんですけど、ま、なんか違う、もう一歩次に繋がる曲をここで書かなきゃいけないなと思って。

Variety インタビュー

“道徳と皿”というタイトルは、ジャケットのイメージともリンクしてる。
ジャケットからアートワークから楽曲、全部、伏線回収できる楽曲にしたくて、もっくんの中のイメージをスケッチして伝えたそうです。

宙に浮いてる果物は、人の道徳観、自分の人生観、人間の脆い部分で、いつ落ちてしまうか分からない危険がある。
「絶望があるから幸せがある。寂しい感情があるから楽しい感情がある。」そういうものをこの曲に落とし込んでいる。

この話を聴いただけで胸がギュッとなる。

三部完結して、次の作品への伏線にもなるような、謎めいた感じを出したいと思って作たそうだよ。
『Variety』の一曲目が“始まり”を表す「StaRt」、ラストの「道徳と皿」の最後の “さぁ はじめてみて” の歌詞は意図して作ったみたい。
「道徳と皿」の最後をどうするかですごく悩んで、最終的に “さぁ はじめてみて” に決まったことで全部がループしてまた次につながるという流れになったそう。

ちょっと鳥肌…
10代でここまで考えてるって大森元貴やばくないですか?

三部完結の最終章『Variety』

盛り付けられた楽しさや幸せは、いつ落ちるかわからないほど脆くて。
それでも人は何かを始めて、いろんな感情を抱いて生きていく。

この頃からずっと伝えたい想いに一貫性があって、ミセスの凄さを思い知る。
今でもミセス自身が大事にしている曲たち。
この頃と今とでは歌う意味合いが少し違うかもしれない。
でも彼らは、今も昔もずっと核となる部分はなにも変わっていないのです。

メジャーデビュー作となった『Variety』。
デビューしてくれてありがとう。

ここから始まって、多くの人がミセスの曲で今日も救われている。
ミセスにとっても、JAM’Sにとっても大事な大事なアルバムです。

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