ミセスデビュー前の貴重なインタビュー『ROCKIN’ON JAPAN(2015年3月号)』を今読んで思う

ミセスを知る
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私がミセスを愛してやまない理由の一つとして、結成当初から抱く信念がブレないところがあげられる。
過去の雑誌のインタビューを読む度に、約10年経った今でも全く変わらないその姿勢にグッと心を掴まれる。
ビジュアルが変わろうが、曲調が変わろうが、伝えたいことは変わらない。
ミセスはずっとミセスで。
ずっと一貫して私たちのヒーローで居てくれたんだなって思う。
私は当時彼らを知らなかったから、今やっと彼らの足跡を今は少しずつ辿ってる。

今回は、『ROKIN’ON JAPAN』2015年3月号を読んで思ったことを綴っていく。

Mrs.GREEN APPLEの変わらない核の部分

2015年3月、まだ結成2年弱のMrs.GREEN APPLE。
インタビューを受けた当時は、初の全国流通盤アルバム『Progressive』をリリースしたばかりだ。
ボーカル&ギターの大森元貴(以下、もっくん)とギターの若井滉斗(以下、ひろぱ)は、当時まだ18歳だった。

希望があれば、絶望がある。
何事も表裏一体だ。

ミセスはいつもそう。
醜さを知っているから美しさを感じられる。
希望を持ってほしいからこそ、敢えて絶望を歌うんだ。
そんなバンド。
それがデビュー前からしっかり根付いたミセスの核の部分。

絶望したときに、希望となるのは結局人との繋がり。
インタビューではもっくんがこんなことを語っている。

僕、なんか同い年ぐらいの子と喋ってるより、80歳ぐらいのおばあちゃんと喋ってた方が楽しいんですよ(笑)心でしっかりお話してくれるからすごく救われるし、愛に満ちててあったかい気持ちになるから。そういうことって絶対大事だよなと思うんですよね

「ROKIN’ON JAPAN」2015年3月号

まさにこのインタビューで応えている内容ってこの後にリリースする1stシングル『Speaking』に繋がってくるんだなって思う。
SNSとかで人と人ってすぐに繋がれるけれども、そういう表面の繋がりじゃなくて、ちゃんと心と心を通わせたいっていう思いが込められてる。
もっくんの中では常に危機感があって、人と繋がるってそういうことじゃないんだよ。って伝えたかったんだろうな。
『我逢人』で歌う「人との出逢い」や、「誰かの優しさで救われる世界で在ってほしい」という願い。
それを『Speaking』で、今を生きる若者にもっともっと届きやすいようにキャッチ―なメロディーで包んで届けてるんだろうな。

優しく抱擁するというより、僕らは刀とかのような気がします。ただ、それは暴力でふるってる刀じゃなくて、ちゃんと愛を持った刀で在りたいなというのは意識してるんだけど。

「ROKIN’ON JAPAN」2015年3月号

そう。ミセスの楽曲はただ優しく包まれるだけじゃない。
しっかりぶっ刺してから救ってくれる。
心の弱い部分に敢えて触れてくる。
目を背けたくなること、見て見ぬふりをしてきたこと。
そんな自分の心としっかり向き合って、それでも生きるということ。
何を想って、何を大事にして、忘れちゃいけないことを。
当たり前と思っていることが当たり前じゃないってことを。

綺麗ごとじゃない。だから信じられるし、だから心に響く。

Mrs.GREEN APPLEの音楽は1対1

いくら髪染めてカラコン入れた女の子がお友達とキャピキャピしてたって、家に帰ってメイク落としてひとりの時間になった時、絶対寂しいと思うんですよ。そういうSOSサインを1対1で汲み取りたいなとはいつも思ってます。

「ROKIN’ON JAPAN」2015年3月号

2023年末から回ったFCツアー「The White Lounge」を思い出す。
「白い部屋にひとりたち」「リミナルスペース」。
この公演で、ミセスがを華やかなステージで『ケセラセラ』を披露した後、もっくんだけ一人ぽつんと孤独感を表現するシーンがあったのだけれど、まさにそれ。
外でどんなにキラキラしていても、寝る前に感じる孤独感は皆平等にある。
もっくんの中で既にこの時には、「The White Lounge」の原型となる核のものが芽生えていたんだと思う。

「SOSサインを1対1で汲み取りたい」
この言葉もミセスの「誰一人として置いていかない音楽を。」という信念に通じている。
今度のツアーも「ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」。
銘銘=1対1。
ね…ミセスってなんて素敵なバンドなんだろう。
もっくんの信念がしっかりメンバーの心にも浸透していて、チームにも伝染していて。
この頃のひとりひとりを救いたいって気持ちが根を張り、枝葉を広げ、現在は実際に大勢のひとりひとりを救っている。
この事実に胸がギュッとしてしまう。
よくここまで頑張ったね。

Mrs.GREEN APPLE自体がテーマパーク

向き合いたい人とのアクセス方法をしっかり作れれば、いくらでも投げられる自信はあるんですよ。だから、今僕らは頑張って地道に紡いでるところですね。それが、多くの人とバチンとハマれたら、きっと≪未だ成されて無い事≫になるんじゃないですかね

「ROKIN’ON JAPAN」2015年3月号

みんなが興味を持ってもらえる方法で伝えていく。
今言ってる「間口を広げる」に通ずる概念で、どんなきっかけでもいいから知ってほしい。
僕らの声を聴いてほしい。
本当に大事なものはなんなのか、それぞれが考えるきっかけを与えたい。
それによって変わる世界があるから。
今辛い現実が少しでも救われるように。

今対バンに力を入れているのも、バラエティに進出しているのも、いろんなコンセプトのライブを制作しているのも。全部。

私は思う。
Mrs.GREEN APPLE自体がテーマパークだって。
いろんなコンセプトのエリアがあって。
癒しのエリアに弾けるエリア。ちょっとゴーストチックなエリアもあったり。
楽しいアトラクションに乗った後に、ちょっとドキドキハラハラするアトラクションにも乗れる。
ずっと居ても全く飽きることのないテーマパーク。
私にとっては「ディ〇ニーランド」よりずっとずっと魅力的な場所。

『ROKIN’ON JAPAN』2015年3月号。
メジャーデビュー前の貴重なインタビュー記事。
今と変わらないミセスの核。
そして当時の想い。
知れて良かったなって思う。
良かったら、読んでみてください。
今なら定価以下で手に入ります。

また、こんな感じであれこれ個人的に想い巡らせながら考察している7000文字越えの『Dear』考察記事も良かったら読んでみてほしい。なんつって。

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