Mrs.GREEN APPLE『The White Lounge』ライブレポート~記憶が薄れる前に

LIVEレポ
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ああ、眠りたくない。
一度夢の中に行ってしまったら、この記憶が薄れてしまう気がするから。
できればずっと起きていたいのに。
でも私は人間だから。
眠らなければ、それこそ頭が回転しなくなる。葛藤葛藤葛藤

The White Loungeを観終えた夜に抱いた感情はこれだった。

言葉にできない。
ただただ、すごいものを観た。
こんなにも創り上げられたものをどう言葉に落とし込もうか。
ありがとう。こんな気持ちにさせてくれて。
ありがとう。信頼を寄せてくれて。

そこから2週間、ようやく落ち着いてライブレポートを書き始める。
いや、ライブレポートと言えるほどのものではない。
一度見ただけで、何も解釈もできないし、本当にただのメモだ。
途中、中身がスカスカなのは、本当に「観る」「聴く」に集中しすぎていたからなのか、はたまた頭の中が真っ白だったのか、自分ですらわからない。
でも、私が感じたものは私にしか書けないから、ひとまずここに記しておこうと思う。

間違っていることもあるかもしれない。
感じ方はそれぞれで、解釈も人によって違う。
それでも読んでくれる方がいるのなら、
映画化も決まったことだし、是非答え合わせをしてもらいたい。

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The White Loungeライブレポート掲載

開演前から既に存在している世界観

会場に入ると、ステージ上にまさにラウンジ!というセットが組まれていた。
中央には扉。カウンター、冷蔵庫、テレビ、ダイニングテーブル。
ラウンジと生活空間が融合している。

聴こえるのは食器の音や談笑するようなざわざわした音。

そう。すでにThe White Loungeの物語は始まっていた。

そのラウンジをゆっくり移動する複数の人々。
白の仮面をつけ、一人でゆっくり座っている女性や、階段を降りてくる男性。
時にその人々が挨拶をかわし、談笑したりするシーンも。

それは本当にスローモーションのような動きで、現実の世界とは違和感を感じさせるものだった。
でも、動き一つ一つが丁寧で洗練されていて、それによってこれから始まるライブなのか物語なのかもわからない演出への期待感がどんどん増していった。

ステージ後方に楽器隊がスタンバイした後、向かって左側からキャストさんと同じ白い仮面をつけた二人が静かに入ってきた。

一人はギターを抱え、もう一人はキーボードの前に立つ。
仮面をつけていた二人は若井滉斗(以下、ひろぱ)と藤澤涼架(以下、涼ちゃん)だった。
涼ちゃんとひろぱが並んでいる。
いつもと違う立ち位置に「おやっ?」と思った。

二人ともスタイルがスラッとしてるからとてもミステリアスで、その白い仮面が良く似合っていた。

我儘が終わる

中央の扉からいきなり大森元貴(以下、もっくん)が出てくる。
このThe White Loungeのためだけに書き下ろしたであろう曲を披露する。
いきなりミュージカルが始まった。

「わぁ・・・」

言葉を失った。

ミュージカルが始まりそうなことは予感出来ていたが、もっくんの歌声がここまでクリアに聴こえることに衝撃を受けた。

突発性難聴を抱えているとは到底思えない伸びやかな声。
普段のライブだとバチバチに楽器隊も盛り上げてくるけれど、あくまで歌と言葉が主役なのだ。

わぁ・・・なんて幸せなのだろう。
こんなにも大好きなもっくんの声を全身で浴びれるなんて・・・。

そう、私はこの時完全にもっくんの声に酔いしれていて、何をどう歌って演技していたのか覚えていない。
大森元貴の声音に心を奪われるのと同時に、ミュージカル調のライブが始まったことに気持ちが追い付かなくてソワソワしてしていたからだ。

でも、この言葉が耳に入ってきたとき、一気に目が覚めた。

「もうすぐ我儘が終わる」

そう言った。確かに言った。
真っ先に脳内に浮かんだAttitudeの歌詞。

あぁ、どうか いつか 僕の我儘が終わるまで

Attitude 大森元貴
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絶頂からの急降下だ。
一気に寂しくなった。
どういうことなんだろう。

その言葉はお芝居の中のものなの?
それとももっくんの心の中に抱いてるものなの?
その我儘が終わってしまったらその先はどうなるの?

私はこのAttitudeの「我儘」を「大森元貴の人生を掛けた体現」だと解釈している。
我儘が終わってしまったら、もう表舞台には出ないのだろうと思っている。
つまり、もうミセスの新しい楽曲を聴くことはできなくなるし、
大森元貴の表現を受け取ることができなくなるということ。

ねぇ、そうなの?
悲しくて悲しくてとんでもない感情に呑まれる。

でも、そんな私の気持ちなどお構いなしに物語は進んでいくのだ。

私の問いに答えてくれることはない。
そう。これはライブと称しているだけで、いつものあの双方向のライブではないのだから。
心をぶつけ合うようなあの濃厚な繋がりはない。
こちらから伝えられることは何もない。
こちらのリアクションなど一切このライブには干渉しないのだ。
一方通行。
今はただ受け取るしか術がない。

もっくんが、荒々しく冷蔵庫から緑色の瓶を取り出してカウンターで注ぎ飲む。

ただならぬ覚悟を感じた

Folktale

ゆっくり嚙みしめるように、話すように歌う。
隣の男性とカウンターの椅子に座ったまま足だけ踊る。
そして、指の先までの華麗な動き。

美しい。
あぁ、もっくんはただならぬ覚悟をもってこの公演に臨んでいる。
指先までもこんなに洗練された動きを見て、そう感じずには居られなかった。

時にもっくんがソロでFrenchを踊るときのようなダンスも加えて。

どんなに練習を積んだのだろうか。
あくまで素人目線ではあるが、動きに迷いがない。澱みがない。

そして、
あぁなんて歌がうまいんだろう。
改めて。本当に。
こんなに踊りながらも、どうしてこんなに美しい声が出るの?
ブレずに、雑味のない綺麗な声。

もっくんの表情、動き、声、身体すべてから圧倒されるほどの気迫を感じた。

これは、試されている。
大森元貴の全てが「届けたい。受け取ってほしい。感じ取ってほしい。」と訴えてくる。

今の感情のままじゃとても失礼だ。
一旦さっきの寂しさは蓋をしよう。
心に棘は刺さったままだけれど、
彼らが私たちに伝えようとしてくれていること、
届けようとしてくれていることを全て零さず受け取って、
大事に持ち帰りたい。
そう思った。

細部まで観たい。
一音も聞き逃したくない。
なのに、なんてことだろう。
視覚と聴覚。どちらにも全集中したいのに。
人間の身体の構造を呪う。

先ほど取り出した瓶を荒っぽく冷蔵庫に戻し、ステージは暗転。
もっくんがデスクのライトをつけ、タイプライターをカタカタと打ち鳴らす。
「君」への手紙を書き始める。

ー お久しぶりです。お元気ですか 僕は・・・ー

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表現の追求

君を知らない

ゆっくり歌い始める。
”手を離したのは君のほうだ”あたりから、途中で女性が出てきて一緒に踊る。
くっついたり、離れたり。愛と寂しさを表現していた。

”大体そうさ”くらいから男性と踊る。

ダンスホール

涼ちゃんとひろぱがウエイター。
もっくんお客さんで真正面の椅子に座る。
歌い出しは座ったまま。

もっくんの声が響く。
一節一節。
もっくんがテーブルの前で踊り出す。
ついにテーブルの上でも踊り出す。
びっくりしていた二人だが、そのうちひろぱも涼ちゃんもそれぞれテーブルの上で踊るシーンもあった。
最後は「こんなとこ知られたら、叱られる!」と言いながらテーブルを拭いていた。

ダンスホールでやっと三人揃って出てきてくれたことがとても嬉しかった。
おちゃめなダンスも取り入れていて、きっと笑いながらリハーサルしたんだろうなーとか妄想も膨らみ、つい頬が緩む。

はじめはもっくんの独壇場だったから、二人の存在が感じられなくて少し寂しかったんだ。
でも、これが大森元貴が表現したかった世界。
そしてひろぱも涼ちゃんもそれを支持しているからここに立っているんだ。
だから、そのことについてどうこういうのはとても野暮だと自戒する。

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ツキマシテハ

紫っぽい照明だった気がする。
もっくんが歩き回ったり、男性二人と戦ったり、ボコボコにされたり、持ち上げられたり、引きずられたり。人間の荒々しい表現。
お芝居でもあり、ダンスでもあり。

これを表現しているのがミュージシャンなんだよなぁと改めて思うと、もうとにかく感嘆しかない。

はぁ・・・とんでもないよ。
ここまでやりきっちゃうの、圧巻だよ。。

二階に行き、もっくん一人で嘆き歌う。
とにかく歌声に圧倒された。
痛々しいほどの表現。
体はヨロヨロで今にも倒れそうなのに、歌声の迫力は凄まじかった。

ねぇ・・・何者なの、大森元貴って。。

苦味と甘味

画面が切り替わるようにシーンが変わる。

二階にいるもっくん。
「They are」がワンフレーズ流れる。

今日もただ独りで寂しいと 
君の前で思ってしまう

They are 大森元貴

女性と一緒に暮らしているようだ。
女性が部屋に入る前に身だしなみを整えるもっくん。
なんかかわいい。

コーヒーを二人分持ってくる女性。
「牛乳が少し前に期限が切れてしまったいたからやめておいた」と話している。

Coffee

コーヒーを飲みながら二人で話しているはずなのに、もっくんだけCoffeeを歌い出す。
女性はそのまま変わらず話しかけているが、そのうち眠くなったのかテーブルに突っ伏して眠ってしまう。
もっくんは女性にブランケットを掛けてあげる。
歌いながら下に降りたもっくんは、他の女性と踊ったり。
”僕の僕を愛して”
最後は一人で歌いあげる。

結婚しているのにすれ違いが起きていて、僕は孤独を感じているようだった。『They are』の歌詞が効いている。

ニュー・マイ・ノーマル

電話をしている。
伝えたいのにシャイで伝えられないという表現。
客席に向かって後半は歌う。
それはまるで、このFC限定ツアーに参加したAM’Sへの言葉にも聞こえた。

そして、プロポーズ。
ひざまずいて指輪をパカッと。

ひやぁぁぁまさかの!!!
演技と言えど、頭の中が一瞬吹っ飛ぶ。
大森元貴のプロポーズシーンがこの目で見れるなんて、誰が予想できたものか!!
そういうのはプライベートでするものなの。
なんていうか変な興奮でありがとうって思った。

からの

PARTY

一気にカラフルだ。
ドアが次々出てきて次々開けていく。

まさかここでPARTYが聴けると思っていなかった。
PARTY大好き人間で、ライブで聴けるのを心待ちにしていたから。
ただただ驚いて泣いてしまった。

ホワンジのアレンジがすごく効いてたから、
やっぱり普通のライブでも聴きたいなぁ、って心の奥では思っている。

”青い春は鳥の様に Bye-Byeと消え去ってく”

後方モニターに青い鳥で飛んでいく。
最後はまた客席に向かって歌ってくれる。

”いつか生まれる君が”のところは赤ちゃん抱いているみたいな振り付け。
表現が細やか。実に。

第一部が終了する。15分間の休憩だ。

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戸惑いは戸惑いのまま

興奮は冷めない。
戸惑いは戸惑いのまま。
目の前で繰り広げられるストーリーは簡単には理解できる内容ではないし、
ミセスのライブと思って席に着いたが、明らかにいつものライブとは別物で、ライブというより演劇なのだ。

でも確かにステージ上にいるのは、ミセスで。
知っているようで知らないミセスで。
音楽を通してだけど、いつも傍に居てくれているミセスが、なんだかとても遠くの存在になってしまったような。
おかしいな。
この耳で大森元貴の声を聴いているというのに。
こんなにも彼の美しい歌声に心は動かされて、喜びで震えているというのに。
どこかで寂しさが拭えない。

また冒頭の寂しさと切なさが襲う。

だめだよ。
こんな気持ちじゃ。
多くのファンがこのツアーに参加したくて、でもできなかった人をたくさん知っている。
私は幸運にもこうして席を用意してもらえているのだから、ちゃんと受け取らなくちゃ。
戸惑ってる暇なんてないの。
全力で受け止めたいの。

休憩15分もすぐに過ぎた。

 

既成観念が打ち砕かれる

ひろぱが女性とデートしてる。
ベンチに座って、どうやらお花見には早かったようだ。
「お弁当の唐揚げが美味しかった!」って感動するひろぱが可愛すぎて、ホワンジの空気が一瞬和んだ。
(ひろぱ、本当にありがとう。正直ここまで息してなかったかも。ひろぱがひろぱ感出してくれてすごく安心した。)
「来週、お花見リベンジしよう」って勇気を出して女性が提案するも、
「来週末は予定があってごめんね」って断るひろぱ。

雨が降ってくる。
「帰ろうか」って二人で歩きだすが、ひろぱが先に行ってしまい、女性が寂しそうに立ち止まる。
本当のひろぱだったら絶対に振り返って「どうした?」って声掛けるのに。
などという妄想を勝手に脳内で繰り広げていると、
もっくんが反対側からフードを深くかぶって歩いてくる。

春愁

引き籠りさんの雰囲気で弱々しい感じで歌う。
今までの楽曲も全てこのホワンジ用にアレンジされたものだが、
これも原曲とは全く違う表現でかなり衝撃を受けた。

こんなにも色が変わるんだ。
歌詞のどの部分にフォーカスを当てるかでその曲が放つ色が変わる。
それへの挑戦だったのかな。
元々ある曲をどこまで化かすか。
まだ誰にも触れられてこなかったその楽曲たちが、こんなにも様々な表情を持ち合わせていたなんて。

雨の中、傘をさしていなかったもっくんにその女性は話しかける。
もっくんは戸惑いながらも、まごまごしながらも答える。
女性が、「来週末、買い物に付き合ってよ」って誘う。
戸惑いをみせながらも、「いいよ」と。

もっくんの演技に再び言葉を失う。
凄いなぁこの人。

『どこかで日は昇る』の初回限定盤の「あおりんご白書」での演技がよぎる。
どちらかというと陽キャで飄々とした役を演じていた。
あれから七年か。
表現の幅も深さも変わるよなぁ。

Just a friend

買い物に付き合いながら。
きっとひろぱを想いながら服を選んでいる女性。
もっくんが指さすほうは悉く選ばず、ただの友達感を突き付けられる。
二人で踊りながらも、触れようとするたびすれ違い、テーブルの上でもっくんが抱きしめようとするも逃げられてしまう。

割とわかりやすくて、歌詞そのままの楽曲だから、
この曲を披露するライブはこの先あるのかなって思っていたけれど、
こういう形で届けられるとは。
なるほど。

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Attitude

まさかのポップなダンス。
二度目の衝撃。
いや、このライブにおいてはもう何度目か数えられないくらい衝撃は受けている。
でも、春愁に次いで大きな衝撃だった。

あ、いいんだ。
そういう方向に振り切っていい曲なんだ。
そう思えるようになったんだ。

率直にそう思った。

元の曲のイメージを変えてまで表現したかったもの。
元々のポテンシャルとひと味もふた味も変えた意味。
当時書いた心情はそれとして、
このライブでは別の捉え方として、
ある意味容易に曲を扱えるようになったのかなと感じた。

色々と思うことはあるかもしれないけれど、当時の原曲のAttitudeの想いはしっかりとご本人たちも私たちも手離していないのだから、悲しむ必要はない。
この曲も他の曲たちと同じようにホワンジならではのアレンジで別の色で彩られたということ。

進化しているんだ。
今のミセスだからこういうアレンジができるようになったんた。
その時間の過程とミセスの進化の重みがとても感慨深かった。

傍観者じゃなくなる瞬間

Feeling
ジャジーな感じで。
あ、でもここでも踊るんだ。

白いシルクハットにステッキまで持った涼ちゃんが
「劇場!」と観客に語りかける。
今までと違う演出。

ハッとした。
ライブに来ているのに完全に一方通行だったから。
ただ見入るだけ。集中して目と耳に集中しているだけだったから。
まるで映画を見ているような感覚だった。

客席に向かって歌うシーンはこれまでもあったけれど、世界観に入り込みすぎて自分が何処からこのステージを見ているのかわからなくなっていたのだと思う。
ステージ上の人にやっと、私たちの存在を認識してもらえた瞬間だった。
普段のライブがいかに双方向で成り立っていたのか、と身に沁みて痛感した。

愛を届けに来たけれど、届ける雰囲気ではなくて、
直接的なこちらへの愛はなく、舞台上での苦くも切ないラブをただただ見ている。
こちらに溢れ出てくるのは、凄まじい気概や覚悟や熱量で。
受け取るのは、その彼らのその想い。
愛とはまた違うその想いに適切な名前を付けることは難しいだろう。

ケセラセラ

まるでオルゴールのなかのオブジェのような。
小さな屋根の下にミセス3人で立っている。
ひろぱはギター。涼ちゃんはアコーディオンを持ってね。
YoutubeにあがっているStudio Session Liveのようなアレンジ。

クラップの時は、もっくんがグッドマークとニコってしてくれた。
(あー嬉しかったぁ。客席の反応受け取ってくれたぁ。思わず頬が緩んだ。)
このホワンジでこのシーンが一番ライブ感あったな。
そういう演出だからだけれども。
ライブライブはしていなくて、キラキラしているスタジオってくらいの規模感。
ミセスグリーンアップル味をやっと少し味わえた。
そんな感じがした。

ケセラセラが終わると、「お疲れ様でしたー」と一同撤収してしまう。
もっくん一人になり、静けさと共に

Soranji

いつもとはまた違う感じ。
あのいつもの壮大な世界に向けて歌っている感じではなくて、
本当にもっと内なるものというか、
自分の内側か、目の前の相手くらいまでの狭い世界のSoranjiな感じがしたんだ。
とにかく声が美しくてダイレクトにこちらの心に届く。
会場中に響く大森元貴の歌声。
アリーナともドームとも違う。
この規模感だから聴けるSoranjiだ。泣いた。

「白い部屋にひとりたち」
オープニングの曲のフレーズを少し。

フロリジナル

ひとり。と、ひとり。
出逢い。
でも、結局ひとり。
ひとりをどう捉えるのか。

目で見てみないと
冒険しないと
ワクワクが腐るから外へ出たい

フロリジナル 大森元貴

最後は中央の扉から冒険に出るのかな?と思った。

けど、扉を開けようとしたのに、結局戻って持っていたトランクをテーブルに置き、そのまま扉からもっくんだけが去っていった。

 

演目が終わった。

掴めそうで掴めない。
シーンごとの意図していることはわかる。
全体として描かれている人間像もわかる。
内容よりも表現に見入ってしまっていたから、
終わってしまったこの瞬間は、
それこそ脳内が真っ白ホワイトラウンジだった。

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緊張感が解けて安堵の涙

MC

キャストの皆さんを見送って、やっと馴染みのある3人が目に映る。
あーほっとした。
あーやっと会えたぁ。
なんか懐かしい感じさえした。

そのくらいさっきの演劇は別人で、別世界だったのだと思う。

耳をネタにして聞き取れないボケをするもっくん。
「聞き取れないことをネタとして爆笑してよ」とひろぱに振る。
なにこれ、おもしろこわい。

あーそうだった。こういう人たちだった。
笑ってる。
泣ける。

もっくん「年末の活躍観たー?」
お客さんに話しかけてる。笑いかけてる。
泣けてくる。

もっくん指折り数えながらどや顔で
「レコ大歌手!」
「紅白歌手!」
「国民的歌手!」
その都度、ひろぱが「自分で言うとダサいね」ってツッコむ。

あーこれだぁ。泣ける。
これが知ってるミセスだぁ。
このミセスに会いに来たの。
もちろんさっきのも凄かったけどさ、受け取る側の負担も結構な重量でね。
なんかとてもヘヴィーで。緊張感も責任感も。
こうやってライトなわちゃわちゃが愛おしいのなんのって。

「今年も楽しいことたくさん考えているので、予定を空けておいてね!」

こんなすごいのやった後に、「いろいろたくさん考えてる」って言われちゃうとさ、まーじかーってなるよね。

何処まで行くんだミセス!

側面ではない。極限まで追求された一面。

さて、私がこのThe White Loungeから受け取ったものは結局なんだったのだろう。
確かに受け取ったし、この胸の中にあるものがそうなのだろうと思う。
でもそれを具体的に言語化できるほど咀嚼ができていないのだ。
二週間たった今も。

ちょっと待って。
9月にチケットをご用意されてから約半年間ずっとこの日を待ちわびて、
楽しみすぎて、ホワンジを思う度に涙して、
「必ず全て受け止めて持ち帰る」と何度も何度も誓っていたのに。
なんたる不覚・・・

でも、でも、
そもそもこんな難解な内容を一度観ただけで「受け取れ」なんて、サディスティックすぎやしないか?(誰もそんなこと言ってない)

ただ、
私は凄いものを観た。
それは間違いない。
情景を思い出せば、心が熱くなり、
その楽曲を聴けば、心が苦しくなる。
美しく切なく脳裏にもしっかり刻印は押されている。
ただただ凄いステージだった。

これを中途半端にやったらかっこよくないんだよ。
徹底的に細部までこだわって表現したからこそ、こんなにも圧倒されるステージとなったんだ。

いちアーティストがミュージカルを齧った程度ではない。
そんな次元じゃなくて、本当に完璧な表現をしっかりと創り上げてた。

ミセスが見せてくれる多面性の一面一面への向き合い方が尋常じゃない。
ただの側面ではない。
それぞれが極限まで追求された一面なのだ。
細部まで丁寧に描かれる。
大森元貴の性格。
大森元貴のこだわり。
体調不良の最中でも一切妥協しない。
自分にとことん厳しい。
その身体でこれほどまでに創り上げる過程を、覚悟を、感じずにはいられないんだよな。
その覚悟にも気概にも全力で賛辞を贈りたい。

ファンを信用して見せてくれているのだとしたらファンはもれなく見なくてはいけないものだと思う。
受け手次第だけれど、この気概を目の当たりにしたら何も言えない。

と思っていた矢先、
最終公演後に映画化が発表された。

え、い、が、、、?
脳内が真っ白ホワイトラウンジだ。

だけれども、確かに映画。
うん、映画にするべきだと思い直した。

多くのファンに観てほしい。
ここまでして創り上げたものを一度だけ目撃した人間たちの記憶だけに留めておくのは非常に勿体ないことだ。
二回目見たら感じ方も違うかもしれない。

映画が公開されたら何度足を運べるだろうか。
どうか近くでも上映してほしい。

あわよくば、円盤化。

FC限定ツアーだから難しいと思っていたけれど、
映画で万人に観られると思えば、円盤化も夢じゃなくなったというわけだ。

これはもう期待したい。

 

【追記】
ホワンジで私は何を受け取ったのだろうかと書いたけれども、
3/18のミセスLOCKS!聴いてたら、ミセスが届けたかったもの、
一応私なりにちゃんと受け取れていたような気がして、
ちょっぴり安心した。
うん。よかった。

 

 

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